店内撮影お断り
この店があるのは、関内というか、日ノ出町というか、正確には福富町である。シーズン前こんなに忙しくなる前にフラついているとき出くわしたのがこの店。
知る人ぞ知る名店だったらしいんだけど、ぼくはまったく知らず、野毛呑み帰りに散歩した福富町の、あのかなりいかがわしい町並みの中で”出くわした”感じだった。
おっかなびっくり入店。いや、白状すれば店の前で念のためググったんだ。だって周囲の景色の中であまりにも唐突な感じだったし。しかも「オーシャンバー総本店」だよ? で、検索の結果、こりゃ大丈夫そうだなと目星がついたので入店。
思った以上に魅力的な店だったなあ。客はぼくひとりだったので、あれこれバーテンダーと話をして情報を収集したんだけども。で、ついでに聞いてみた。「ここは店内写真は撮ってはまずいのか」と。
そうしたら「オーナーの意向で、お断りしています」と言う。写真撮影をいやがる店も多いのでそりゃそれで「納得なんだけど「なぜ?」と聞いたら、「ひとりにどうぞ、と許可すると、オレもワタシもになって店中が撮影大会になっちゃうからです」という。
そりゃ店内の空気が大事なオーセンティックバーとしては確かに許せない状況で、撮影禁止なのは当然だ。ウンウンと頷いていたら、「でも、今日はほかにお客様がいいらっしゃらないので、撮影していいですよ」とバーテンダーが付け加えた。
というわけでお言葉に甘えて撮影してきた。いやあ、もうね、まさにヨコハマのオーセンティックバーだよね。昔は官公庁街の中にあった店だけど、開発が進んでいまや歓楽街、それもちょっと怪しい方向の歓楽街に取り囲まれちゃってしまったけれど、昔を懐かしんで来店する旧いお客様が多数だとか。そういうのもいいよね。
メニューがいいんだ。敗戦直後、オーナーが創業したときからのもので、内容が”THE YOKOHAMA”だし、その作りもいい。補修しながら何十年もののボードを使っているらしいけど、中にはいまは提供できないモノも含まれているとか。それもいいじゃないの。ひっそり行ってひっそり呑みたい店だよね。
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